英国防衛武官サイモン・チェルトン海軍大佐のスピーチ
佐久聞艇長の生涯を称える記念式典への参加の依頼を受けましたことは、
私にとりまして非常に光栄かつ名誉なことであります。
私は1995年に岩国と呉での式典に参加しておりますので、
今回が初めてというわけではありませんが、
その折に強い仲間意識と友情を感じたのをはっきりと憶えており、
再ぴ参加させていただける機会を得まして大変嬉しく思っております。
また、この度日本を初めて肪れました私の両親を
小浜に連れてくることができたことも喜ばしく思っております。
第六潜水艇遭難の話は、世界中の潜水艦乗組員の間でよ<知られております。
英国の潜水艦の故郷ともいえるイングランドのゴスポートにおる潜水艦資料館には、
次のように展示説明されています。
すなわち「佐久聞艇長と乗組員たちは、
潜水艇での任務に求められる晋遍的な勇気を見事に示した。
彼らの早すぎた死は、常に直面しなくてはならない危機を強調している。
これがかけがえのない出来事であるのは、
第六潜水艇からのメッセージが残っているからである。」
私自身も潜水艦での任務に就いておりましたので、
佐久間艇長と乗組員たちには個人的に感謝の念を持っております。
私が潜水艦に加わった頃には、安全性が非常に高まっておりましたが、
それは彼らの献身的な態度が残してくれたものの一つであり、
私たち全員にとっての模範となっております。
特に潜水艦乗組員をはじめとして、
すべての国々の船乗りたちは強い仲闇意織を持っております。
私たちは常に危険があることを理解しておりますし、
わずかな警告しかなければ物事が
劇的に悪い方向へ行ってしまうことも知っております。
この平穏無事な時に熟考してみると、
私たちは自然に極度の危険の際に
どのような行動をとるのかということを考えます。
佐久間艇長と桑組員たちは我々全員の手本であり、
強カなリーダーシップ、勇気、
そして任務への献身とは何かという}ことを示してくれています。
ここ数年、目本と英国はその世界観を共にしております。
ここ二年ほど、
インド洋にある日本の艘が
英国海軍の艦艇などに補給支緩を行なうことによって、
テロとの戦いに貢献しております。
また、ここ数か月にわたって目本の自衛隊員たちが
イラクにおける人道的支援に従事し、
同地の英軍指揮官たちと共に活動しております。
こうした任務は危険なものでありますが、
それに関わっている人たちに
佐久間艇長はここでも感化を与えているのです。
困難な任務に就いていらっしゃる自衛隊貫の方々の成功を祈り、
その任務が終了した時には無事に帰国されることを願っております。
きっと皆様も私と同じ考えでいらっしゃると思います。
最後になりましたが、
この素晴らしい価値ある記念式典に参加できる名誉と、
真に賞賛に値する人物が教育を受け、
自らの価値観を身につけた土地を訪問するという
光栄を与えてくださった小浜の皆様にお礼を述べ、
私の感謝の言葉と致したいと思います。
ご静聴ありがとうございました。
(2004.4.15小浜)
佐久間艇長銅像
青戸入江や小浜の町を俯瞰し
遙かに母校、小浜中学校を望んで立っているわけである。