八幡神社・人と信仰
八幡神社 渡辺 隆宮司
家庭のおまつり
「まつり」ということばから皆さんは何を思い浮かべますか?
おみこしや山車やいろいろな屋台…
そんな伝統的な日本のまつりの風景でしょうか。
実は、このように神社などで行う地域のおまつりの他に、
日本では古くから「家庭のおまつり」という習慣が大切にされてきました。
それは各家庭に神棚をそなえ、
伊勢神宮や氏神さまのお神札をまつることが中心となっています。
神棚には、日本の国を守る総氏神さまである伊勢神宮のお神札(神宮大麻)と、
各地域の氏神さまのお神札、そして崇敬する神社のお神札をおまつりするのが正式です。
神さまからいただく大自然の恵みや、
毎日の心豊かな暮らしに感謝する「家庭のおまつり」。
皆さんのご家庭でも神棚をおまつりし、
こころをこめて家族の無事としあわせを願いましょう。
参拝の心
私たちは、お正月や春秋の祭礼をはじめ、
初宮参り・七五三・厄祓いのような人生の節目節目で神社に参拝します。
そして日々生かされて生きていることを感謝し、
五穀豊穣・家内安全・商売繁盛など
さまざまな願いを神様にお祈りします。
神社参拝の時、
もっとも大切なことは、真心をこめてお参りすることです。
神前での二拝二拍手一拝は、
神様に誠の心を捧げるための「作法」の基本形です。
お陰を戴いていることに心から感謝して行うことが一番大切です。
心をこめたお参りにより、「安心立命」心の平穏が訪れます。
お参りのしかた
一、衣服を整え、軽く会釈をして鳥居をくぐり、境内に入ります。
一、手水舎があればここで手と口を清めます。
一、神前に進みます。 姿勢を正します。
一、参拝します。参拝は「二拝二拍手一拝」の作法で行います。
八幡神社木造鳥居 小浜市男山
「かにかくに人はいふとも 若狭路の
後瀬の山の 後も逢はむ 君」 坂上大嬢
「後瀬山後も逢はむと思へこそ
死ぬべきものを 今日迄も生けれ」 大伴家持
万葉集・相聞歌の舞台となった後瀬山は、悠久の太古から、その静かな佇まいを崩していない。
この懐に抱かれる若狭小浜。
後瀬山麓御鎮座 八幡神社
鳥居道立記録は、『若狭郡県志』にみえる室町時代前期の応永2年(1395)を初見とするが、
その記事には「大鳥居廃絶のあとこれを再興す」とあるので、
社頭第一の施設として、古くからの存在が推知できる。
この応永2年以後、中世に2回の再建記録があるが、
近世以降は『拾椎雑話』に記す元禄7年(1694)の再興をもって最後とし、現在に至っている。
この鳥居は、素木で高さ約6.4m。柱間は4.63m、柱の直径は0.4825m。
笠は銅板葺き、神号額の上部も同様とするが、
主要部位には銅製帯金具による緊縛補強を施すなど、保存の丹誠が偲ばれる。
この鳥居は、反増、転び、各構造材とも極めて均整のとれた見事な景観に加え、
築後300年の風蝕も鮮やかな左巻、右巻の左右端正な木理の端麗さは、
古社の社頭を飾るにふさわしい名品といえよう。
美しい若狭を守り伝えたい・・・・