若狭小浜の海

〜アマモ・マーメイドプロジェクトを通じて〜


福井県立小浜水産高等学校
ダイビング部顧問
        小坂 康之先生





全国最古の水産高校、
小浜水産高校のダイビング部ではアマモの浄化機能に着目。
アマモマーメイドプロジェクトを開始した。





五年前に創部したダイビング部では、
車で一時間以上かかる若狭高浜や田烏の海・湾外で練習しているが、
学校近くの海に潜ることもある。

うみうし ほんだわら うみうし



現在の三年生が一年生のときのこと。
「あんな汚い海では潜りたくない」と訴える部員に対して、
小坂さんは「どうすれば海がきれいになるのか考えてみろ」と返した。
この問いかけを受けてパソコンに向かった生徒たちは、
インターネット上でアマモに出会う。
アマモを再生する試みは東京湾や大阪湾など全国各地で行なわれていた。


活動には「アマモマーメイドプロジェクト」と名づけた。
小浜には人魚の肉を食べた長者の娘が八〇〇歳まで生きた
八百比丘尼伝説があり、神明神社にはその木像も残る。
人魚のモデルとなったジュゴンはアマモを餌にすることから、
アマモを再生し、ふたたび人魚を呼び戻そうという願いを込めてこう命名した。





 「ぼくたちは三年で卒業しますから、
地域の人たちにもやってもらわないと小浜湾はきれいになりません」 
ダイビング部部長の石川慈人さんがいうように、
目標の実現には多くの人の参加が必要であり、
参加を促すには小浜湾の現状を伝え、
アマモの浄化能力をわかりやすく説明しなければならないことに気づいた。







小浜湾に注ぐ北川と南川はともに近畿地方随一の清流であり、
湾内のCOD(科学的酸素要求量) は環境基準を満たしている。
 数値だけを見れば、小浜湾はきれいなんです。
しかし、田んぼと同じで、見た目は昔と変わらなくとも、
生きものは減っています。

海が埋め立てられ、堤防などのコンクリートで
縁どられた海岸線からは砂浜が消え、水質も悪化しました。
こうした環境の変化がアマモの生育環境を失わせ、
漁業資源の減少を招いています。


アマモのような生物指標を調べないと、
海のほんとうの環境はわかりません。







多くの人と潰し、人前で話す機会が増えることで、
生徒はどんどん成長していきました。
アマモより生徒のほうがずっと成長が早いですよ

ダイビング部の活動は
生徒全員がアマモを育てる学校全体の取り組みになった

http://www.obamasuisan-h.ed.jp/





高校生が地域を動かした

 高校生が始めた活動は、
多くの人の胸に眠っていたふるさとへの思いを目覚めさせ、
勇気をもって行動を起こす一歩を踏み出させた。





西津公民館職員の西野ひかるさんは




「きれいだった海が汚れ、水揚げも減り、
漁業に支えられていた小浜のまちに元気がなくなっている。

それなのに、
私を含めた大人はさまざまな言い訳を考えて何もしてこなかった。
生徒たちがこれほどがんばっているのだから、
自分も何かしなければと思ったんです」


 西野さんにとっての「何か」は、すぐに決まった。



http://blue.ap.teacup.com/amamo/

http://blue.ap.teacup.com/amamo/65.html#readmore

アマモマーメイドプロジェクトとは、
「小浜湾をきれいな潜れる海に!」を合言葉に、
小浜水産高校の生徒たちと市民が一緒になって
2005年2月から進めている、
小浜湾浄化に向けた取組みです。




アオリイカ コブダイ 幼魚





美しい若狭を守り伝えたい・・・・