耕養庵蒼島短歌 平成二十二年三月分 入選作品
第一席
道端に凛と咲きたる水仙に負けじと歩む吹雪の日課
多田 欄
寸 評
雨の日も雪の日も散歩を日課としてゐる作者が見えてくる。
水仙の凛として咲くのを見て吹雪の日を、励まされ頑張って歩いている。
第二席
内ふかく春の潮を含みたる水揚げのさざえ朝市に選る
佐野 鈴子
寸 評
上句は情感深く生き生きとしている。朝の市場に新鮮なさざえ選っている作者が見える様だ。
第三席
枝先に刺されて干さる蛙あり生くる知恵持つ小鳥の技よ
堀口 寿々喜
寸 評
冬を生きていく小鳥の知恵に感動した作者。周囲の木々を、自然をよく見つめてゐる作者。
老い深く幾許の命賜はるや歌詠む日々を楽しみとして
藤井 敏子
「はとぽっぽ」のみが安全の番人で文殊炉再会をテレビは報づ
池田 和子
十四年も放置されていた原子炉が安全だと言われても納得できません
(はとぽっぽは原発反対の新聞名です)
今回もたくさんのご応募ありがとうございます。
耕養庵では引き続き皆様の素敵な作品を募集しております。
美しい若狭を守り伝えたい・・・・・・