ようこそ若狭小浜 耕養庵へ




 
 修正会(しゅしょうえ)



  年の初め、各寺院では修正会の法要を勤めます。
修正会とはどんな法会でしょう?



 過ぎ去った昨年の一年間、
自分なりに精一杯努力してやってきたけれども、
いよいよの歳末、
振り返ってみると、
生き方や歩んできたことに納得がいかないことが色々ありました。




道歌に「はけば散り 払えばまたも塵積もる 庭の落ち葉も 人の心も」
とあるように、必ずや煩悩や悔い改めたいことが
次々に出てきたのではないでしょうか。



 大晦日に、
やっと百八つの梵鐘の音に心を込めて、
これらを昇華させ修めることができました。

明けて新年、
既に過去となった規範、
考え方などを修正し、
これから始まる一年間を正しく修めようと十六の善神に祈願し誓います。
これが修正会の目するところなのです。




 中国での陰暦の一月を正とし、
それに因む行事を修めたのが修正会の始まりです。
日本では、天長四年(八二七)東寺において、
又は、聖武天皇の御世(七五〇頃)に、
各国分寺において営まれた悔過法が修正会の最初でしょう。


平安時代以降、大寺院から徐々に地方の寺院へと
伝え広まって行ったのです。



 その一寺院である当寺では、
唐の、玄奘法師が訳した
大般若波羅蜜多経六百巻の第五百七十八巻目の理趣分という
一巻き転読して修正会を営み、
併せて世の中の安寧や
五穀豊穣であることなどを祈願しています。





 因みに、この巻末は


「仏の所説を聞いて皆大(マサ)歓喜し、
信受して奉行したりき」


と、歓喜と希望に満ちた気持ちをもって締めくくっています。 




 修正、言い換えれば「一を止めて修す」とも解するなら、
いつまでも「一」
即ち初心を
この一年間持ち続け
精進したいと心に誓うことでもあるのです。  

                      



                向陽寺  鈴  木  元  拙

                
http://kore.mitene.or.jp/~chouon







美しい若狭を守り伝えたい・・・・・・