ようこそ若狭小浜 耕養庵へ






髪ながき少女と うまれしろ百合に
  額は伏せつつ君を こそ思へ


「山川登美子記念館」を訪ねて




 建てられた当時のたたずまいを、色濃く残す
山川登美子の生家で、平成二十一年四月から
「登美子没後百年、山川登美子記念館開館二周年」の
特別展が開かれている。



小浜市千種にある山川家は、
平成十七年に家屋敷、
十八年に登美子の遺品を小浜市に寄贈された。
 小浜市は、山川家七代目の当主山川貞蔵の財力と格式、
優れた美意識を示す家屋敷を修復して、
山川登美子記念館として開館した。



 重厚な表玄関、広い庭に面した周り縁のある表座敷、
当時としては珍しい洋風の応接間が印象に残る。


 展示室には山川家の当時の写真、
鉄幹・晶子との交遊を語る書簡、
歌稿、明星等の雑誌が整然と展示されている。
その他、登美子の着物、
愛用の琴などには登美子の好みが見られて興味深い。




また貞蔵が、
愛娘登美子の嫁ぐ折与えた
短刀の見事な造りには、
酒井家重臣の誇りと家格が偲ばれる。




 記念館を訪れる人々に、小浜の旧家の高雅な
空気は良い思い出になると思う。  



                         若狭読書会会員 白石恵子







美しい若狭を守り伝えたい・・・