若狭会古






    



古い地名を残す地区
 
ちりとてちんの舞台西津地区は、箸の生産地である。
左手に海を見ながら、
西津漁港から海岸道路を「箸のふるさと館」へ向かうと、
道の右側に小松原、下竹原、新小松原の区がある。


五百メートル足らずの間に、二十五本の大小の道が海に向かって開けている。



 海岸通りに面した家の壁面に、
町名を記したアクリル板が取り付けられている。
町名の下には福井地名を語る会と小さく書いてある。



その町名が、ここに町ができた頃の暮らしを想像させる
懐かしい響きを持っている。



 漁業組合前の角からアクリル板を見ていくと、
角屋町、大西町、東西町、西仲町、東仲町、
西乾古町、東乾古町、太郎右衛門町、
火除町、仁衛門町、九郎兵衛町、
新五郎町、久内町、三居町、
治郎兵衛町、三右衛門町、秋葉町などの町名がある。



 昭和五十年代に古い地名を残す地区として、
東京の地名研究所への申請が認められ、
アクリル板が取り付けられた。
歩道には、町名を大きく書いた立派なゴミ箱も置かれている。



 春の日差しを浴びながらロケ地から箸会館へ歩く観光客に
水鳥の遊ぶ穏やかな海とともに、
     この地名が目に留まればいいなと思う。



                         若狭読書会会員

                                            白石恵子


   


美しい若狭を守り伝えたい・・・・・・