地蔵さんの笑顔
にっこり笑った地蔵さん。
正月らしい笑顔です。
この地蔵さんは、書家千葉半涯さんの作品です。
この笑顔を見て私は貝原益軒の「和楽」という言葉を思いだしました。
貝原益軒は江戸時代初期の学者です。
『養生訓』という本を書いた人で、ご存じの方も多いでしょう。
益軒はこの本を書いたことで、人生の達人と呼ばれた人です。
杉田玄白もこの本を読み「養生七不可」のヒントを得ました。
「和楽」とは文字通り「和(やわ)らぎ 楽しむ」ことで、
益軒が好んで使った言葉でした。
そのことを、「欲をおさえ、心を平(たいらか)にし、気を和(やわらか)
にして、常に和楽を失うべからず」とも言っています。
今の時代はおだやかな世相とは言えません。
この地蔵さんの笑顔のように、やわらかな心で、
明るく楽しく生きる心がけが大切だと思います。
新年にあたって、万人が和楽である世の中が来ることを願いたいものです。
四方吉郎