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(小浜市民憲章 前文より)
『象が行く』
その1
応永十五年(一四○八)六月二十二日、
若狭小浜に着いた黒象一頭は、
どの道を通って京に運ばれたのでしょうか。
まず、京のどこから都入りしたかを、考えてみることにします。
第一感として、西近江(湖西)から浜大津を抜けて、
京に入るのが一般的のように思いますが、
そうでもないようです。
京都市東山三条交差点に近い「古川町通」を、
宝暦二年(一七五二)刊行の『京町鑑』は、
「是古の若狭海道也」と記しています。
この伝承については確かさはないようですが、
これを北に延長すると、
出町柳をとおり高野川に沿って間違いなく若狭に繋がっています。
若狭海道という呼称についての確かさがないとしても、
平安時代におけるこの道の存在は確認されており、
奈良時代以前に遡る可能性もあります。
そのように古い道である以上、
この若狭への短捷路が利用されたことは、
十分に考えられます。
都の人々を驚かす象の行進は、
洛北からだったことは間違いないでしょう。
鈴木治
美しい若狭を守り伝えたい・・・・・・
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