ようこそ若狭小浜 耕養庵へ






若狭バカ



昔から北陸の県民性を表すのに
「越中強盗・加賀乞食・越前詐欺に若狭バカ」
という言い伝えの言葉が残されているが、
人間とことん困ったときの対処の仕方で、
県民性を表す言葉として
この言葉が生まれたものと思われるが、
その真偽のほどは疑わしい。




 他地方の気質はそれはそれとして、
何か困ったときに若狭人は只オロオロするばかりで、
一見して何も出来ないバカのように見えるらしいので、
「若狭バカ」と言われているのかもしれないが、
若狭人として一言抗弁しておきたい。




 私たちが育ってきた
風土の歴史や民族性の影響を受けて
「お国気質」は育ってきたもので、
「若狭バカ」なる言葉も
「大賢は愚かなるが如く」と
言われているように
聖人君子はちょっと目には愚かに見えるが、
追い詰められてとことん困ったときでも、
へたに悪あがきせずにじーっとこらえているのが
「若狭人気質」だと思う。




 死に直面して
尚従容としてその責任感を全うした佐久間艇長、
権威に屈することなく使命感に燃えて
村人を貧困の底から救った松木長操ら、
信念を貫くためには己を犠牲にし、
身命を賭して大義に生きた心意気が
「若狭人」の気質の中に流れているのを思うとき
「若狭バカ」という例えは当を得ていないし、
ほかの地域の
それとは
真意も異なるのではないかと思う。     





                               円明寺 住職 笹川真照

 

 

                       美しい若狭を守り伝えたい・・・・・・