ようこそ若狭小浜 耕養庵へ



祈りの道

                             神宮寺より鵜の瀬へ

 消え残る 白い雪積む野辺

三月二日 神宮寺「お水送り」

願いを書いた 護摩木を 天にかざし

松明の炎に 身をゆだねて 祈る道

顔を 朱に染め 心を暖かくして 歩む

鵜の瀬の河原で 護摩木を焚く

天に上る火の粉は

満天の星に 吸い寄せられ

神と仏は融けあひて 赤星となる

かがり火を映す 鵜の瀬の水

清冽な水は 瀬音を奏で

奈良へと向かう

清められた人々は

すべてを許し さらに浄化する

今 炎の乱舞は

若狭に 春を呼ぶ
           

                                                          杉崎康代

弧を描き

闇間に浮かぶ三千の

手に持つ松明

山峽をゆく

冬の夜の

星空に舞う大護摩の

火の粉は高く

赤星となる

     写真提供  若狭の語り部 岡尾正雄氏                    短歌 二首 康代 詠

美しい若狭を守り伝えたい・・・・・・