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お初菩提寺 臨済宗妙心寺派 凌霄山常高寺 澤口輝禅 染筆


「江〜姫たちの戦国〜」
小浜をこよなく愛した初(常高院



 NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」が始まりました。



 このドラマに登場する浅井三姉妹。
長女の茶々、次女の初、三女の江の三人です。
 次女の「初」は、
後に若狭の国主(お殿さま)となる京極高次に嫁ぐこととなります。



 浅井三姉妹が生きた戦国時代の末期。
父の浅井長政は織田信長に攻められ、
居城の小谷城で自刃、
初が十五歳の時に父を失いました。
 幼い三姉妹は母・お市の方(織田信長の妹)と、
父の仇である織田信長のもとに養われますが、
天正十年(一五八二)六月二日、
本能寺で信長が明智光秀に討たれ、
三姉妹の運命は大きく変転します.。




 母は柴田勝家と再婚、越前・北ノ庄に移り住みますが、
天正十一年(一五八三)四月、秀吉と勝家が争い、
北ノ庄城で母を失う悲運に遭います。



大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」福井県推進協議会ロゴ



 過酷な運命に翻弄され、父と母を失った三姉妹は、
羽柴(豊臣)秀吉の元で養われます。
やがて初は慕う京極高次と結婚しました。
 高次は関ヶ原の合戦では東軍の徳川家康に味方し、
大津城に籠城します.初は高次を援けて家臣を励まし、
西軍の猛攻に耐えて勇敢に戦いました。




大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」福井県推進協議会キャラクター





 高次は勝利した家康から、
その功績を賞され、若狭国・八万五千石を与えられました。
 入国した高次は、新たに小濱城の築城に取りかかります。
波静かな小濱の海を背に、
南北を河川で取り囲まれた小濱城「水城」は
難攻不落の堅城です。
初は蒼い海を高次とともに眺め、
幸せなひとときを小浜で過ごしました。



 慶長十四年(一六〇九)五月三日、高次は病に倒れ、
城の完成を見ることなく小濱城で亡くなりました。
四十七歳でした。


 初は出家して常高院と名のり、
ひたすら高次の菩提を弔いますが、
豊臣と徳川の仲が不和となり、
大阪冬の陣では仲介に奔走、
見事に和睦を結ぶことが出来ましたが、
夏の陣では姉淀君(茶々)と甥の秀頼を失いました。



 初は小浜が忘れられないで、
寺院(常高寺)の建立を発願しますが、
その工事なかばで、
六十六歳の波乱にみちた生涯を江戸で閉じました。
 遺骸は遠く江戸から小濱に運ばれ、
現在地(常高寺中腹)に葬られました。





常高寺 山門


 初(常高院)が愛した小濱の蒼い海は、
こよない悠久の美しいままに、
今もたゆたい小浜に訪れて下さる人たちの心に、
郷愁を奏でています。





 戦国怒濤の世に生まれた三姉妹。 
初は悲運に翻弄されながら、
愛する夫とともに、激動の戦国から、
泰平の世を拓く織田信長・
豊臣秀吉・徳川家康の英傑達と肩を並べて、
精一杯に生きた幸せな生涯であったと言えるでしょう。




                     岡村 昌二郎




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