おんなぶみのたのしみ

おんなぶみとは、文字どうり女性が書いた文章のことです。

ここでは江戸時代に書かれた古文書である
消息文(しょうそこぶみ)について解説します。

男性が書いた手紙のことを書簡とか消息文(しょうそくぶん)といい
漢字で書かれているのに対し、
女性の消息文はひらかなで書かれており、
かな文字独特の優艶さ、連綿体、散らし書きで書かれているなど
美術的、芸術的なものがあります。
美しく柔らかで流れるような字体で書かれたおんなぶみは、
見ても楽しく心和むものです。

とは言うものの、その昔、当事者どうしで書かれたものであり、
後世になって第三者がこれを読もうとしても、
意味が通じずに正確に読みこなしたり、
解釈したりすることは非常に困難なものです。


小浜市浅間の常高寺には、常高院消息が数点残されており、
また小浜市立図書館には、
東福門院女房奉書が二十五通所蔵されております。
これらは非常に貴重なものであり、
身近に見ることができというのは大変なことです。

常高院はよく知られておりますが、
東福門院とはどのような女性でしょうか、
なにゆえに、このような女房奉書が小浜、に残されているのでしょうか。
これらについて、謎解きをしてみましょう。