ようこそ若狭小浜 耕養庵へ





上方落語のお噺 

ちりとてちん

食べ物について何かとうるさい竹という男がいた。
何をご馳走しても、
「この酒は甘い」
「鯛みたいなものなど喰い飽きている」
などといって悪態をつく。
竹やんの友人はいつか一泡吹かせてやろうと思っていた。


ある時友人宅の水屋から腐った豆腐がでてきた。
そこでこの豆腐を砕いて、
それに梅干しやら醤油、ワサビなどを入れ、
箱に詰めて上から紙をかけて一品とした。

さてその名前をどうしようかと考えていると、
奥から三味線の音が聞こえる。 
その音から、「ちりとてちん」と命名し、
このまえ竹やんが長崎に行ってきたというので、
「長崎名物」とした。   


桂三扇

さて竹やんを呼んで接待した。
相変わらず竹やん、出てくる物に次々と毒づく。
そこでいよいよ友人は切り出す。
  
 「竹やん『長崎名物ちりとてちん』を知っているか」
一瞬戸惑った竹やんだが、
「ああ、知っている。朝昼晩と喰っていた。  おつなもんだったよ」
そこで友人は例の一品を出す。 
竹やんそれを食べて、「ああー、なつかしい味や」
友人「一体どんな味なんや?」 
竹やん 「ちょうど豆腐の腐ったような味やわ」

ここで友人は日頃からの溜飲を下したのだった。





  こうしたことで「ちりとてちん」の起こりは
腐った豆腐と深い関係があります。 
ですから「ちりとてちん」のお菓子というと美味しいイメージからは懸け離れています。
    しかし
 「腐る」の語源は「砕く有る」(クダクアル)からきているという説があります。
  
 私たちは知らず知らずの間に、
竹やんのように
知ったかぶりをしたり、我が儘を通したり、
見栄を張ったりするものです。
その心をクダクアル、つまり砕いていきましょう。

そうして何事も天の真心と受け止めて、
感謝して生きていきましょう。
そのようにいただくことも出来るわけです。



禅語に「百雑砕」(ひゃくざつすい)という語があります。
「ちりとてちん」は「私たちの多くの雑多な我が儘を砕いていく」
そのことを自らに問いかけている言葉のようです。
そしてそこからの反省と実行が
「ちりとてちん」の味わい尽くせない
禅味なのです。


   平成十九年七月 
         地久山主  識

 









まんじゅ屋がつくった黒ごま豆腐

満喫 スイートポイント


身体の中からキレイになれる


まんじゅ屋さんの黒ごま豆腐



葛 や 黒ごま を

ふんだんに使った おいしくてヘルシーな  デザートです。












                  美しい若狭を守り伝えたい・・・・・・